2月の米国ファンドフロー : マネーマーケットファンドからの資金流出が加速

2月の米国投信市場の資金フローを振り返りますと、ETF（上場投資信託）を除くベースで、株式ファンドが+253.47億米ドルと2ヵ月連続

REUTERS/Jo Yong-Hak

の資金純流入を記録しました。ただ、資金流入額は1月の+377.09億米ドルから123.62億米ドルの減少となりました。米国株ファンドの資金流入額が112.55億米ドル減少し、海外株ファンドが11.07億米ドル減少しており、米国株ファンドへの資金流入額が顕著に減少しました。また、国債や社債などで運用する課税債ファンドは、同じくETFを除くベースで、2月に+226.02億米ドルと18ヵ月連続の資金純流入を記録しましたが、こちらも資金流入額は1月の+391.47億米ドルから165.45億米ドルの減少となりました。

2月には、上旬にイタリア・スペインで政局不安が強まり、下旬には総選挙後のイタリアで新政権の樹立が難しくなり、政局の混迷が深まりました。米国では1月末の連邦公開市場委員会（FOMC）議事録が発表され、これを機に、これまでの米国株高を支えてきた量的緩和政策の早期縮小・停止観測が強まりました。このため、米国株ファンドを中心に、株式ファンド・課税債ファンドとも、資金流入額が減少したのだとみられます。しかし、注目しておきたいのは、待機性資金の受け皿であるマネーマーケットファンド（MMF）からの資金純流出額が、1月の-76.89億米ドルから2月の-302.49億米ドルへ4倍弱に急増していることです。2月には世界の株式市場が揉み合う展開となりましたが、そうした相場環境の中、MMFに滞留していた資金が、有利な運用先を求め、リスク資産へシフトを強めた可能性を指摘できます。米国におけるファンドフローの基調としては、有利な運用先を求めた待機性資金の流動化という現象が起きつつあるようです。