3月の米国ファンドフロー : 株式ファンドが3ヵ月連続の資金純流入を記録

3月の米国投信市場の資金フローを振り返りますと、ETF（上場投資信託）を除くベースで、株式ファンドが3ヵ月連続の資金純流入を記録し、資金流入額は前月比39.98億米ドル減の+213.49億米ドルとなりました。資金流入額の内訳を見ますと、米国株ファンドが前月比1.83億米ドル増の+90.02億米ドル、海外株ファンドは同41.81億米ドル減の+123.47億米ドルでした。また、米国内外の国債や社債などで運用する課税債ファンドは、同じくETFを除くベースで、前月比2.43億米ドル減の+223.59億米ドルと19ヵ月連続の資金純流入を記録しました。

REUTERS/Amir Cohen

これに対し、待機性資金が集まるマネーマーケットファンド（MMF）の資金フローは、13年1月に-76.89億米ドルと3ヵ月ぶりの資金純流出に転じた後、資金流出額が2月-302.49億米ドル、3月-466.50億米ドルと急増しており、3月の流出額は12年3月以来の高い水準となりました。米国の投資家がリスク選好を強め、MMFから資金を引き出し、リスク資産へ投資を積極化しようとしている可能性を示唆しています。MMFからの資金流出が拡大を続ければ、いずれ、株式ファンドへ資金流入が増加する可能性が高まります。

なお、3月の世界の市場動向を振り返りますと、月前半には、米経済指標の改善と米国経済の本格回復への期待、米国の量的緩和政策の継続観測で、世界の株式市場は高くなりましたが、月後半には、キプロス問題やイタリア政局への不安で、世界の株式市場は安くなり、月間では日米欧の先進国の株式市場だけ、高くなりました。このため、株式ファンドへの資金フローは純流入を継続しましたが、流入額は減少してしまったとみられます。